April 15, 2013

サイバーパンク

サイバーパンクというのは、退廃的で暴力的な近未来社会を舞台に、個人や集団がより大規模なネットワークに接続ないし統合された状況(またはその過程)、さらに、構造や体制への反抗を主題とするSFのサブジャンルらしい。機能や意識を機械的に拡張された肉体や、ネットワーク上の仮想空間などを小道具として、疲弊しきったテクノロジーや社会・経済・政治などをメタ的に描くことが特徴だという。
もともと「サイバーパンク」という単語は、とある作家によるとある小説のタイトルだったものが、とあるSF編集者により、それまでの主流だったハードなSFやファンタジックなSFに対するカウンター的なジャンルを指す言葉として使われ始めたと言われている。さらに、こうしたサイバーパンク作品に描かれる独特の技術や世界観もまた「サイバーパンク」と呼ばれるそうだ。

サイバーパンクという言葉の定着した80年代中頃よりも古い作品である『ブラッド・ミュージック』や『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』なども含まれるとされる。疲弊した技術や、人間とコンピュータとの融合といったサイバーパンク特有の設定は登場しないながら、テーマやアトモスフィアがメタでパンクなため「さらに根源的(あるいは前駆的)なサイバーパンク」と解釈される模様だ。

上に述べた正統サイバーパンク作品の影響を受け、同様の小道具や雰囲気を用いた作品が「サイバーパンク」を名乗ったり、また、そう言い習わさたりしているが、その多くはサイバーでパンクなテーマやメタな視点に欠け、ただ見てくれを真似ただけの紛い物と断罪されがちであるのは世の常であると言えるだろう。

参考:ウィキペディア